アメリカ式管理のジレンマ1
システム化で全ての問題が解決できると大勢の人が考えたと思います。かく言う私も仕事して10年近くまでは絶大に信頼しておりました。
しかし、20年前にアメリカでは、すでに人的パワーの総動員ができないという悩みをかかげていました。その当時、人のやる気であるモチベーション(動機づけ)を中心に行動科学が提議されていました。すでに我々が学生の頃の話である。
歯車として単純化して振舞ってもらいたかった「人」が、却ってアメリカ式管理のジレンマとなってしまったのです。
科学管理法を検証するホーソン実験において、選ばれた従業員たちが自分が選ばれ、優秀であるという心理から、通常想定していた生産数より多く生産できたという事象が発生しています。
中国内戦では、100万の中国共産党軍が粗末な武器で、4倍の装備も補給も充足な国民党軍に打ち勝つ。この間にいくつもの原因はあるにせよ、全てに貧弱ゆえに、人の知恵が大きく共産党側に働いたことは否めない事実であります。
アメリカ式管理の平準化、平均化だけでは、これらの人の力を引き出すことができないものであります。